2017コンテンツ100③
こんばんは。遠野です。皆さん元気ですか?(僕はそこそこです)
今回は、クライテリアが選ぶコンテンツ100の企画の僕のパート部分を紹介します。
ちなみに、動画はこちらから視聴可能です。3時間ずっと喋りっぱなしです。
(僕が選んだのは、2017年に触れたコンテンツということで、若干2017年にでたコンテンツでないのも含んでます。あと、順番はなんとなくです。)
では、33個のコンテンツを紹介していきます。
2017年のコンテンツ33(遠野選)
01 石黒正教『それでも町は廻っている』(漫画)
10年以上にわたって連載の続いていた「それ町」が完結! いい余韻の残る最終話に、歩鳥のその後が描かれたエピローグまで含めて16巻は良かった。公式ガイドブックも完結に合わせて出ていて、作者による全話解説とかがあって読み応えある。
02 ハグル(ゲーム)
アナログゲーム。一般的に大体のゲームは、リソース(チップとかカードとか)をやりくりしながらスコアを競うものですが、「ハグル」はなんと「ルール」までをリソース化している珍しいゲーム。ゲームの様子とかはググってみてください。
03 丸戸史明『冴えない彼女の育てかた』(小説)
今年やってたアニメ二期から入ったんですが、メインヒロインの加藤が可愛いので原作すべて集めました。本編後半の加藤のリアクションでぐいぐい読ませる。とはいえ、加藤可愛さで読んでいた僕はサブストーリーは買ったけど読まなかったです。
04 宮島礼吏『-江戸忍稼業- もののて』(漫画)
『AKB49』や『彼女、お借りします』などを描いている宮島先生の時代劇モノ。「偽物が本物になる」という宮島先生おなじみのテーマが、今回は夫婦関係で描かれていたんですが、昨今の『マガジン』の潮流と合わなかったのか、3巻で打ち切られました。僕は宮島先生の作品ではこれが一番好きです。ヒロインのおこたが可愛い。
05 『いぬやしき』(アニメ)
『GANTZ』でお馴染みの奥浩哉原作のSFアニメ。主人公の声をやっている、小日向文のおじちゃん演技が得もいえぬ緊張感で愉快。漫画よりもアニメをおすすめします。
6『Fate/stay/ night Heaven's Feel』(映画)
これまで映像化されていなかった『Fate/stay night』の最終ルート「Heaven's Feel」が映画化。というわけで観ました。三部作らしいので、まだ物語りは序盤ですが、すでに桜がエロ可愛くてこの先どうなってしまうのといった感じ。あとこの映画によって間桐慎二再評価の波がきているのもよいことだと思います。
07 緑のルーペ『青春のアフター』(漫画)
読後の後味の悪さの塩梅具合がいつも絶妙な、緑のルーペ先生の作品。30超えて結婚を控えている頃になって、初恋の女の子がタイムスリップしてやってきてしまった、という青春の残務処理みたいな物語。人生において決断するということはこういうことですよね、感。四冊で完結しています。
08 上原求、新井和也『1日外出録ハンチョウ』(漫画)
『中間管理職トネガワ』に続く、カイジスピンオフ作品。原作ではこずるい小物のような印象だったハンチョウこと大槻が、いかに粋人だったかを思い知らされる漫画。これを読んでから、カイジのチンチロ編の読み味が変わってしまった。僕は『トネガワ』より断然いいと思います。
09 庭劇団ペニノ『ダークマスター』(演劇)
バックパッカーの若者が、とある料理屋にたどり着いたところから始まる奇妙なお話。舞台上で実際にオムレツを作ったり、イヤホンで役者の声を聴く演出があったり、体験自体面白い演劇でした。若者が料理の技術を習得していく過程で、次第にイデオロギーや人間性まで伝染していく不穏さが怖かったです。
10 横槍メンゴ『めがはーと』(漫画)
寿命を相手に分け与えることのできる世界で繰り広げられる、恋愛の絡んだどろどろヒューマンストーリー。尊敬する漫画家のもとで修業していた元キャバ嬢が、師匠よりも漫画がうまくなってしまって、師匠がダークサイドに落ちていく話が僕は一番好きです。
11 『スパイダーマン ホームカミング』(映画)
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アベンジャーズシリーズに連なるスパイダーマンの新作映画。ヒーローにあこがれるあまりポンコツな活躍を繰り返す主人公の少年が魅力的です。最終決戦に、スパイダーマンのスーツじゃなくて、スーツっぽいパーカーで挑む演出も好きです。
12 『鉄血のオルフェンズ』(アニメ)
機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ 【特装限定版】 全9巻セット [マーケットプレイス Blu-rayセット]
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任侠系岡田麿里による脚本のガンダム。MS戦で人が死ぬのと、銃で撃ち殺されるのと大体同じくらいの比率なんじゃないか、と思うほど銃で人が死ぬ。アトラ可愛い。
13 太田剛気 個展『四峰隆満内閣展』(美術)
カオス*ラウンジ » Blog Archive » 太田剛気 個展『四峰隆満内閣展』
カオスラウンジアトリエでやってた展示。架空世界の架空の政治闘争を生き抜いた生え抜きの政治家たるおっさんたちの肖像画を並べた展示。フラットで記号的なおっさんたちの肖像は、明らかにゲームアニメ的な感覚で描かれていて、ゲームアニメ的想像力がこんな形の表現に結実するのか、と驚きを覚えました。
14 『夜明け告げるルーのうた』(映画)
『デビルマン』でも話題となっている湯浅監督のオリジナルアニメーション。物語と音楽のパッションが半端なく気持ちよい。アヌシー国際アニメーション映画祭で賞を獲るなど海外では評価されたのに、日本では観客動員はあまりよくなかった印象。もったいない。Blu-rayでみんな見るといいと思いますよ。
15 『少女終末旅行』(アニメ)
終末戦争的な何かの後の世界を、二人の少女が車で遊歩する話。OPとEDが曲もアニメもよい感じです。今見るなら『キノの旅』よりも全然こっちの方がいいですよ。
16 『ニーア オートマタ』(ゲーム)
人類とエイリアンの戦争が膠着した地球では、人類側のアンドロイドと、エイリアン側の機械生命が代理戦争を繰り返していた、というお話。戦いのために戦っている感がすごい。エンディングの演出は好きだけどこれ以上はここには書けない。あとオート戦闘を使うとアクション下手でも快適にプレイできるシステムは個人的に最高です。物語だけサクサク見たい。
17 『ドラゴンクエストⅪ』(ゲーム)
ドラゴンクエストシリーズ最新作ということでプレイしました。セルフオマージュがてんこ盛りなのでドラクエファンは間違いなく楽しめます。
18 白井カイウ、出水ぽすか『約束のネバーランド』(漫画)
約束のネバーランド 7 (ジャンプコミックスDIGITAL)
- 作者: 白井カイウ,出水ぽすか
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2018/01/04
- メディア: Kindle版
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「戦略的鬼ごっこ」とでも言うべきドラマ作りが面白い。鬼ごっこが始まる前から、その準備段階でどれだけのことができるか? みたいなところも作り込まれているのもよいです。
19 ハコオンナ(ゲーム)
一晩で七回遊んだアナログゲーム。一回プレイが平気で1時間くらいかかるので、本当に夜通し遊んでいました。もう一生分遊んだと思います。プレイヤーは、箱に隠れているハコオンナという怨霊側と、ハコオンナのいる館から脱出しようとする人間側とに分かれて勝負を競う、ちょっとナラティブっぽさも入ったゲームです。
20 『鬼平』(アニメ)
あの鬼平がなぜかスタイリッシュになって帰ってきた! なんで今鬼平がアニメ化されたのかは謎ですが(これもリバイバルブームなのだろうか?)、絵も今風にアレンジされていて、脚本の精度も高いのでとても面白かったです。悪人とかの描き方がいい意味でステロタイプに徹しているのもよかった。
21 アズール(ゲーム)
ドイツの大規模なアナログゲーム祭である、エッセンシュピールに行った時、ホテルのロビーでかなりの数の人がこのゲームを遊んでいて、今年の流行りみたいな空気を醸し出してました。タイルを並べてスコアを競うという、やることはけっこう単純なゲーム。タイルを欲張りすぎると失点に繋がってしまうルールとか、ゲームのバランスが程よいです。
22 仲谷鳰『やがて君になる』(漫画)
いい百合漫画です。
23 坂上秋成『モノクロの君に恋をする』(小説)
漫画サークルの変人奇人たちのモノクロ青春物語。とにかくこれでもかと随所に漫画愛がちりばめられており、読む者の漫画愛を刺激してやまない作品です。
24 つくしあきひと『メイドインアビス』(漫画)
アニメも2017年でしたけど、僕は漫画のほうが好みだったので漫画を選んでいます。絵の空気感が、あまり見たことのない感じの肌触りで、そこのポイントだけでもう「アビス」という異界の表現に成功しているといって良いと思います。 痛い描写は苦手なので、歯を食いしばりながら読んでいます。
25 正解するカド(アニメ)
正解するカド Blu-ray Disc BOX 1(完全生産限定版)
- 作者: 村田和也
- 出版社/メーカー: アニプレックス
- 発売日: 2017/07/26
- メディア: Blu-ray
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シリーズ構成を小説家の野崎まどが担当したことでも話題になった作品。回を追うごとにひとつずつ異方という異世界の謎が提示されていく構成で、視聴していて飽きない。ワムの作り方は誰もが真似したくなると思う(できないけど)。
26 『ヱクリヲ7』(批評)
批評同人誌『ヱクリヲ』の7号。ジャンプ特集と音楽批評特集の二本特集。各種ジャンプ論を楽しく読みました。『クライテリア』と執筆陣がよく被ることで一部で有名。
27 坂上秋成『TYPE-MOONの軌跡』(批評)
FGOなどでお馴染みの TYPE-MOONの通史として書かれた本。おそらく五年後十年後にTYPE-MOONが語られる際に最も参照される本になると思います。あと文体がエモいのが特徴です。
28 Mystery Rooms(ゲーム)
ドイツで遊んだ、リアル脱出ゲームを遊ばせてくれるショップです。店舗型の脱出ゲームなので、仕掛けがとても凝っている(炭鉱の岩肌に囲まれた部屋や、隠し扉のギミックなど)。二つの部屋を遊んだのですが、そのうちの一つの精神病棟からの脱出は、「自分が誰かを思い出すこと」脱出の条件であったりして、非常に凝った演出で楽しかったです。
29 龍の歯医者(アニメ)
原作・脚本が舞城王太郎、主題歌はオザケンのカヴァーと、サブカルを殺しにかかってきたような作品。監督は鶴巻和哉だし、それは面白いものができるでしょうよ、という布陣。舞城ってこういうジブリっぽいものが作りたかったんだな、と感じます。
30 血界戦線 & BEYOND(アニメ)
中二がノートにぐしゃぐしゃ書いた設定を、全力で作品化したような異能力バトル もの。必殺技を使うときは叫んで使うのが基本。中二心をくすぐられる演出や脚本がよいのです。
31 『ランス9』(ゲーム)
20年以上続いている大作エロゲ―が今年完結するので、その前作を2017年のうちに遊んでおこうと思いプレイ。これまでのシリーズにはなかった恋愛要素が、思いのほか面白かったので好評価といったところです。
32 鳥生ちのり『こいとうたたね』(漫画)
安眠の方法を解説するとともに、年上の無防備お姉さんとの同居物ストーリーを展開させている漫画。お姉さんの部屋着がいつも違うとか細かい点がいいと思ってます。
33 ゲンロン総会(イベント)
株式会社ゲンロンが毎年開催している年末イベント。クライテリアコンテンツ100の元ネタは、このイベントで批評家のさやわかさんがやっている、コンテンツベスト100という企画です。
というわけで、これにて三者三様に選んだコンテンツが99個並びました! 「あれ、でも100にはひとつ足りないのでは…?」とお思いの読者の貴方。100個目は、勿論あれに決まっていますよ…。それでは、今年もどうぞよろしくお願いいたします。